自動車でもバイクでも、盗難防止用のカギが付いていますが、自転車のカギとなるとお粗末な代物という印象を持つ人もいるでしょう。実際昔は仮にカギを失くしてしまっても、最悪の場合はカギそのものを分解してしまえば何とかなるという印象がありました。ですから自転車の盗難について言えば、高価な自転車であるほど従来のカギでは安心できなくなってきたのです。
特に電動自転車が登場し一般に普及していくに従って、自転車専用のカギも防犯効果の高いものに代わって行きました。また電動自転車にはバッテリーの着脱用に別途施錠がなされており、これは従来の自転車用のカギよりもずっと高性能なものでした。
さて自転車のカギが高性能になるにしたがい、単純なシリンダー式以外のカギも多く登場します。電子制御の自転車ロックも一般的になるにしたがい、トラブルも一筋縄ではいかないものが増えてきました。自転車は通常屋外に停車させておくことが多い乗り物ですが、このことは簡単にイタズラされてしまうことも意味します。カギ穴にモノを詰めるなどといった単純なイタズラもそうですが、常に風雨にさらされる環境は、ロックシステムにとっても苛酷であるといえるでしょう。そもそもカギが複雑化すると、一旦それが開錠出来なくなったときに対応が難しくなるということで、防犯性能が上がることと背中合わせのことなのです。
特に電子ロックのカギの場合、確かに防犯性能は高くなります。しかしその反面、電池が切れた場合はどうすることもできなくなります。この点を解決したのがソーラー電池を内蔵した電子ロックです。さらに自転車の車軸など、部品レベルでもダイヤルロックがかけられるものが登場し、分解して盗まれるというリスクを軽減しています。
高価な自転車であれば、盗難防止にはそれなりの費用をかけなければならないということでしょうが、カギの交換にはそれなりの費用を覚悟しなければならないのです。